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シリーズ25周年記念教典 メガテンマニアクス（A4判208ページ）

メガテンと私

塩田信之
「シリーズ25周年教典メガテンマニアクス」編集・執筆担当

　思い返せば、当時はまだ「ライトノベル」という言葉もない時代で、「アニメージュ文庫」というアニメ雑誌をベースに出版されていた文庫から発売された小説『デジタル・デビル・ストーリー 女神転生』（西谷史著/徳間書店刊）との出会いが『初』だったということになります。日本サンライズのアニメ作品で作画監督として活躍されていた北爪宏幸さんのイラストに惹かれた形で手に取って、当時好きだった夢枕獏さんや菊地秀行さんといった方々の伝奇小説よりもアニメ寄りで読みやすい作品として新鮮な印象を与えてくれた作品でした。

　ファミコン版『デジタルデビル物語 女神転生（『DDS1』）がナムコより発売された頃には、すでに「ファミコン冒険ゲームブック」（双葉社）などを通じて仕事としてファミコンに接していたのですが、RPGは仕事以外でも個人的に楽しんでいました。その一本が、『DDS1』です。当時の印象として強く残っているのは、上下反転を繰り返すバグ（というボスキャラクター）や、ケルベロスの頼もしさ、あといまだにメガテンの音楽といえばまずこれを挙げずにいられない「天空の街ビエン」です。薄暗い3Dダンジョン中心のゲームでだしぬけにパッと明るいビエンの街の印象と、シンプルな音の連続でありながら高揚感が心地よいBGMは非常に鮮烈なイメージでした。

　実を言うと、『デジタルデビル物語 女神転生II（『DDS2』』は個人的には遊んでいなかったんです。仕事が忙しかったというのもあるのですが、『DDS1』も大変だったので、「また大変そうだなあ」なんてイメージを持ってしまったのが敗因です。いや本当にリアルタイムで遊べなかったことは後々悔やんでも悔やみきれない事態となるのですが、初めて『DDS2』に触れる機会となったのは、当時『女神転生IIのすべて』（JICC出版局）が出たばかりだった成沢大輔氏と出会ったことでした。こんな本を作ったと見せてもらった『女神転生IIのすべて』が原体験みたいなもので、『DDS1』当時はほとんど意識していなかった神話伝承を元にした「悪魔」という存在の面白さは衝撃的でした。

　その後、成沢と編集プロダクション「CB’s Project」を立ち上げ、スーパーファミコン『真・女神転生』以降そこでの書籍制作にも携わっていくことになります。当初から攻略というよりは世界観に関するページを担当することが多かったこともあり、シリーズが進むに従って悪魔の解説等神話や伝説を紐づけていく部分を主に担当するようになりました。『メガテン』と出会う前からある程度興味があったのですが、いろいろ調べていくことで『メガテン』とともに深みにハマっていったというのが、『真4Fと神話世界への旅』に繋がっていく背景であることは間違いありません。

　『真・女神転生デビルサマナー』以降になると、悪魔解説をより深く行う上で取材を行うことも多くなっていったことも、背景のひとつにあります。今でもよく覚えているのは、『真・女神転生デビルサマナー ワールドガイダンス』（ソフトバンク刊）で複数日に渡って金子一馬さんにじっくり悪魔についてのお話を伺ったことです。豊富な知識とイメージを元に造られている悪魔たちは、「その背景を知ることでより親しみ深くなる」という考え方は以降の関連書籍を制作する上で核となる信条となりました。

　幸いなことに、『真・女神転生』25周年にそのまま付き添ってくることができ、さまざまな関連書籍を制作した上で『神話世界への旅』や今回の『シリーズ25周年記念教典 メガテンマニアクス』制作にも携わることができたことはまことに光栄なことです。これからもさまざまな形で『真・女神転生』シリーズとともにあり続けたいと思っております。どうかよろしくお願いいたします。