2017年の御礼と2018年のご挨拶(山井)
お陰さまで『真・女神転生』シリーズは無事、2018年を迎えました。
昨年はシリーズ誕生25周年を一緒にお祝いしてくださり、ありがとうございました。皆さまには謹んで、御礼申し上げます。
自分がシリーズプロデューサーを名乗らせて頂くようになったのがちょうど去年のことで、25周年企画のアレコレはまさにその初仕事でした(アトラス歴はもう20年という……)。社内の開発、プロモーション、ライセンス、セールスチームに支えてもらっての拙い初仕事でしたが、これまでシリーズを応援してきてくださった皆さまに少しでも恩返しさせて頂きたく、汗をかかせてもらいました。アレコレの企画において、「またやってほしい」と言って頂けるような展開が行えていたならば、これ以上ない僥倖です。
さて、日頃メガテンに携わっていてつくづく思うのは、「メガテンとはもう神話である」ということです。
『真』がつかないFC版から数えて30年。異なる悪魔を合体させて未知の悪魔を造り出す『悪魔合体』という、今日では当たり前になった『合成』のゲームシステムを発明し、独創的で影響力の強い悪魔の造形を膨大に産み出し、現代社会を舞台にした怪奇・伝奇モノゲームの“はしり”として、社内外に多数のフォロワー作品を擁するようになった現在、メガテンは単なるゲームソフトの枠を超越した、人類(ユーザー・プロアマ問わず)に何らかの啓示(影響力)をもたらす存在であると、自分は信じています。
社内の開発スタッフの間ではよく、開発が上手く進む時、進まない時に、見えざる力の介在を感じて「メガテンの神様が納得している/していない」という表現を用います。僕ら関係者は実際、メガテンが神話であるということを当たり前のこととして実感しているのです。もちろん、畏敬の念を忘れたことなど1秒たりともありません。
そんなメガテンは昨年、25周年記念の名の下、まるでクトゥルフ神話のようにアトラスの外側にいる“尖った”クリエーター達の手により、その神話世界観をいっそう広く、深く拡げて頂きました。
『真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY 25周年記念スペシャルボックス』に封入した『メガテンマニアクス』の塩田信之さん(『神話世界の旅』でも引き続き、お世話になりました)。
「無料でプレイできる」という暴挙に出たPC向けアクションゲーム『真・女神転生 SYNCHRONICITY PROLOGUE』を制作してくださったチームladybugさん。
パイプオルガンの存在が禍々しかったオーケストラコンサート『-LAW SIDE-』でお世話になった志村健一さん。
ファンの皆さまと直接触れ合うことができたバンドライブ『-CHAOS SIDE-』でお世話になった2083さん。
ハイクオリティーアイテム『DDS』ブランドを立ち上げてくださった初田晃一郎さん。
これまでもコミカライズやノベライズ等、外部の方との連携は存在しましたが、25周年企画ではさらに一歩踏み込んでの“協業”がいくつも実現しました。
アトラスとしては常々、あんなアイデアもこんなグッズも、過去作のリメイクや移植作だって、とにかくいろいろと実現させたい気持ちでいっぱいなのですが、どうしたって社内の人員だけでは足りません。リリースできるゲームソフトもやれる企画も限られます。
そんな中、すでに業界でポジションを確立したクリエーターの方々にこうしてご協力頂けたのは、とてもありがたいことでした。同時に、業界に多数の“メガテン賛同者”がいらっしゃることを改めて実感でき、メガテンを産み育てた諸先輩方の功績を強く誇りに思いました。
今後も、本編のゲームをしっかりリリースしつつ、様々なクリエーター、アーティストの方々と“クトゥルフ的協業”を行って、アトラス単独では成しえない“メガテン神話のさらなる拡がり”を継続できたらと考えています。
そして、肝心の社内のほうは、とにかく全身全霊を『真・女神転生V』の開発に注ぎ込もうと考えています。
同作は、シリーズでは久しぶりとなる据え置きハード向けタイトルです。どのぐらい久しぶりかと言いますと、2004年の『真・女神転生Ⅲ-NOCTURNE マニアクス』以来、何ともビックリするぐらいぶりになります。これはもうメガテンの神様が納得してくださるまで作り込み、長い歴史に恥じない内容にするしかないと覚悟を決めています。続報については、申し訳ありませんがもうしばらくお待ちください。
最後になってしまいましたが、シリーズ25周年のアレコレは、その企画の開始から丸一年が経過した本日、一段落させて頂くことをご報告します。
25周年記念サイトは、本日より『真・女神転生シリーズ公式サイト』に変異します。
シリーズの過去をしっかりリスペクトしつつも未来を見据え、これからメガテンに触れて下さる皆さまにも良い塩梅の、そんな総合サイトにできればと考えています。
今後、発信して行く情報にご期待ください。
……と言っても、あと少しだけ歴代シリーズファンの皆さまに喜んで頂こうと企む『25周年アイテムの音楽面の何か』を登場させる予定です。ややこしくてすみませんが、こちらの続報もお待ち頂けましたら幸いです。
では、これからも神話レベルの長大な時間を刻むメガテンの歴史において、自分はほんの一定期間を担う“一神官”に過ぎませんが、コンゴトモ ヨロシク……。
株式会社アトラス 真・女神転生シリーズ“当代”プロデューサー 山井一千