文明開化の風が吹き、西洋の文化が流入し急速に発展していく時代のなか、悪魔と呼ばれる異形の者たちが人知れず帝都の安寧を脅かしていた。
主人公の十四代目 葛葉ライドウは、
悪魔を以って悪魔を制す悪魔召喚師として、帝都守護の任務を受ける。表向きは鳴海探偵社の探偵見習いとして勤めるライドウのもとには、悪魔にまつわる奇怪な事件が日々舞い込む。
依頼の主は古くから続く名家「大道寺家」の
一人娘、大道寺伽耶。
しかし、伽耶は依頼の真意を告げぬ
まま何者かに誘拐されてしまう。
伽耶の行方を追うライドウと鳴海の眼前に立ちふさがったものは……。
ひとつの誘拐事件はやがて帝都だけでなく、
国家をも揺るがす大事件へと
発展していくのだった――。
明治維新後の文明開化により、かつて江戸と呼ばれた街は急速な近代化を推し進めていた。人々の暮らしは激変し、新しい時代に順応して富を得る者と、古い考えに固執して困窮する者とに大別された。
様々な人々の情念が渦巻く帝都はもはや、さまざまな怪異を生み出す”魔都”といえよう。
現実と魔界との接点にある世界。
悪魔たちが住まう危険な空間であり、普通の人間が出入りする事は出来ない場所である。まれに神隠し等に会う人が迷い込むのも異界であると言われている。