OUR JOBSSCENARIO
PLANNERシナリオプランナー


誰よりもユーザー視点で、
物語を描く。
- 主な担当作品
- 『幻影異聞録#FE Encore』
- 『ソウルハッカーズ2』
- 『真・女神転生V Vengeance』 など
- 好きなキャラクター
- 尋峯ヨーコ (『真・女神転生Ⅴ Vengeance』)
大学時代は文芸サークルに所属。 会誌への投稿や文学賞への応募など、精力的に創作活動を続ける。 アトラスへの入社の決め手は、シナリオに力を入れていると感じるゲーム会社だったから。 現在は、シナリオリーダーとして開発中の新規タイトルに携わっている。
ここでしか描けない、
人間の物語が、
きっとある。
初めて物語を書いたのは、小学生の頃だったでしょうか。 毎日の宿題だった日記に、自作の小説を書いて提出したのが始まりです。 担任の先生がコメントを返してくれるのが嬉しくて、ものを書くのがどんどん好きになりました。 そんなある日、アトラスが発売する『女神異聞録デビルサバイバー』というゲームに出会います。 封鎖された東京で人間たちが狂気化する様子が描かれており、友人が正義に溺れ暴走していったり、警察が民間人を襲う悪者として登場したり。 勧善懲悪の通用しない、常識を根本から覆されるストーリー展開に、胸を強く打たれました。 ここでしか描けない物語が、きっとある。 そんな期待感を胸に、私はアトラスの門を叩いたのです。 作品のコンセプトを決めるのは、プロジェクトを統括しているディレクター。 しかし、舞台設定やキャラクターの詳細、キャラクターたちがどのような葛藤をし、物語が展開していくのか。 ストーリーの多くの部分に、シナリオプランナーのアイデアが必要となります。 ひとつの作品が完成するまでには数年の歳月を要するため、制作過程では苦しい時期も、もちろんあります。 それでも、納得のいく物語が完成し、自分自身が誰よりも先にアトラス作品のシナリオを読めるという喜びが、大きなモチベーションに繋がっています。

違和感の正体。
とはいえ私も、最初から納得のいくシナリオが書けた訳ではありません。 入社してすぐに携わった作品では、全力で挑んだにも関わらず、ユーザーからの反応はいまひとつ。 空振りの悔しさを味わいました。 どうすれば、ユーザーに楽しんでもらえる物語が描けるのだろう? 答えを模索する中で、次にもらったチャンスは『真・女神転生 V Vengeance』という作品でした。 私は途中参加となったため、作品は既にテストプレイのフェーズ。 テストプレイとは、制作途中のゲームをみんなでプレイして、クオリティを高めるための意見交換をする工程です。 私も早速コントローラーを手に握り、ゲームを進めていったのですが、ふと、ある違和感を抱きました。 “新キャラクターのヨーコの魅力が描き切れていない……”「尋峯ヨーコ」は、物語の鍵を握る重要人物。 その特殊な立ち位置のため、前半では核心に迫る発言ができないという事情がありました。 それゆえ、彼女の性格や信念がユーザー側に伝わりづらくなっていたのです。

プロとして、
ユーザー視点を
持ち続ける。
このままでは、ユーザーが物語に没入できない。 私は途中参加の身でしたが、自分の感じた懸念を素直に、開発メンバーに伝えました。 アトラスには、より良いクリエイティブに繋がるなら、どんな異論も歓迎するという文化があります。 そのため、私の意見もしっかり受けとめてくれ、最終的にはヨーコともう一人のヒロインであるタオとの掛け合いを増やす方針に決まりました。 それでもやはり、発売前は不安でした。 ヨーコは今作で新登場のキャラクターであるのに加え、「世界はこのままでいいのか?」と問いかけてくるような独特な思想の持ち主。 好き嫌いが分かれるだろうと予想していたのです。 しかし発売後、SNSでユーザーの反応をチェックすると、「ヨーコが良かった」という投稿をたくさん見ることができました。 この作品を通じて学んだのは、どんなに些細な違和感、疑問も決して見逃してはならないこと。 キャラクターの台詞や表情、流れる音楽、操作の挙動。 すべての要素にチーム一人ひとりが感覚を研ぎ澄ます。 プロとしての、ユーザー視点。 それこそが、物語の鍵を握っているのだと思います。

WORK
TITLES
SCHEDULEシナリオプランナーの一日

アイデアを出し合います。行き詰まったら席を立ち、
他メンバーに相談します。