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真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY

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塩田信之のDSJと神話世界への旅 第2回「ギリシア神話における神々の王ゼウス」

 『真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY』に登場する悪魔を、その悪魔が描かれた神話や、神話の成立した歴史から掘り下げていく連載コラム『DSJと神話世界への旅』です。『真・女神転生IV FINAL』公式サイトでの「真4Fと神話世界への旅」から引き続き、スーパーファミコン版『真・女神転生』の頃から関連する書籍等で悪魔や神話関係のコーナーを執筆してきたライター・塩田信之が担当させていただいております。


第2回 ギリシア神話における神々の王ゼウス

浮気者の最高神ゼウス

 世界的に広く知られているギリシア神話の、しかも主神であるゼウスは非常に有名な神様です。彫像や絵画に描かれることが多く、さまざまな映画にも登場していることから外見的なイメージも浸透していますし、夜空を見上げれば星座にまつわる物語からゼウスに関するさまざまなエピソードを知ることもできます。

 そんなゼウスがどのような神様かというと、とても浮気性で妻である女神ヘラがいながらさまざまな女神や精霊、人間の女性はもちろん、動物の雌にも惚れ込んで追いまわしてあわよくば愛人にし、思いを遂げるためなら動物から雨粒にまで変身して子種を宿す無類の女好き、そんなイメージがあるのではないでしょうか。相手の女性が既婚者だろうと恋人がいようとお構いなしなので拒絶もされますが、しつこく追いまわして怒ったヘラが相手の女性を動植物に変身させて浮気を止めるような事態も少なくありません。そんな恋愛トラブルエピソードばかりが無数に残されているものの、名だたる神々の主神として立派な姿が描かれる機会は少ないため女好きの浮気者でいつも妻に怒られてばかりのダメ亭主的なキャラクターイメージが定着しているように思えます。

 とにかくたくさん子供を作っているのは、ギリシア神話が世界的大国家の古代ローマの神話と合わさる形で広く伝播し、その勢力範囲や周囲の国々にとって文化的ルーツと捉えられたせいでもあります。各王家がゼウスの血を引く正当な血筋であると言いたいがため、祖先がゼウスの子として生まれた神話が作られていった背景は大いにあると考えられます。本来的には別の神々をルーツとしていた国家も、拡大するローマに呑み込まれていくうちに神がゼウスにすり替わったりした事情もあったのではないでしょうか。かくして、浮気者ゼウスの伝説がどんどん膨れ上がっていくわけです。ゼウス本人にしてみれば、そんな子は認知していないと言いたいケースも多々あったりするのかもしれません。

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真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY

対応機種:ニンテンドー3DS
ジャンル:RPG
発売日:2017年10月26日
CERO年齢区分:C(15才以上対象)

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