塩田信之のDSJと神話世界への旅 第3回「ゾロアスター教の女神アナーヒター」
『アヴェスター』の記述によると、アナーヒターは水の女神にして戦いの女神でもあり、アフラ・マズダーがみずからザラスシュトラに「アナーヒターに生け贄を捧げることで国土が豊かになる」と語ったとあります。紀元前550年から始まるアケメネス朝のペルシア帝国ですでにゾロアスター教が国教となっていて、王によっては碑文にアナーヒターの名も刻んでいるわけですが、古代のペルシア王の伝説をまとめた『王書(シャー・ナーメ)』という叙事詩には名だたる王や英雄たちがアナーヒターに多くの生け贄を捧げて祈ったことが記されているのですから、なかなか血生臭い女神であることがわかります。
紀元前8世紀ごろには、少なくとも元になった口承形式での核となる部分は成立していたと考えられる『アヴェスター』ですが、さらにルーツを辿るとインド神話の源流『リグ・ヴェーダ(ヴェーダ文献)』が元になったことがわかっています。『アヴェスター』が書かれた「アヴェスター語」と『リグ・ヴェーダ』の「ヴェーダ語」は非常によく似ていて、『アヴェスター』には『リグ・ヴェーダ』を元に翻訳した、あるいは『リグ・ヴェーダ』ともどもさらに古い時代の(インダス文明にまで遡る)文献からの翻訳や翻案が少なからず含まれているものと考えられます。
真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY
対応機種:ニンテンドー3DS
ジャンル:RPG
発売日:2017年10月26日
CERO年齢区分:C(15才以上対象)