塩田信之のDSJと神話世界への旅 第3回「ゾロアスター教の女神アナーヒター」
となれば当然ながら、アナーヒターはインド神話のサラスヴァティと同一の女神であったと考えられるわけです。ちなみに「アナーヒター」という言葉は後になってつけられた「無垢な」という意味の修辞語で、いつしかこれが女神の通称になっていきました。インドには伝統的に「七母神(あるいは八母神)」と呼ばれる女神崇拝があって、もっとも古い像はインダス文明の遺跡に原型と考えられるものが残っています。さすがにその頃になると女神個々の名前まではわからないのですが、アナーヒターあるいはサラスヴァティの原型がそこに含まれている可能性は大いにあります。
アナーヒターはその後、ペルシアがバビロニアやギリシア、そしてローマと争う歴史の中でイシュタルやアフロディーテと習合していったと、かのヘロドトスが『歴史』に記しています。イシュタルには「アナヒティッシュ」という西イランでの別名があって、この言葉が金星の呼び名でもあったことから同一視が進んだようですが、アナーヒターとアナヒティッシュがそれぞれどちらが先にそう呼ばれるようになったのかはわかりません。イシュタルはキリスト教が国教になるまでの古代ローマで非常に有力な信仰対象だったわけですから、アナーヒターがゾロアスター教で扱いが縮小された後にも広く信仰されていたことは確かなようです。
【DSJは10/26発売!】土居政之による本作描き下ろしの新悪魔・アナーヒター(CV.田村睦心)。ゾロアスター教・ペルシア神話の女神。シュバルツバース内の未開の地で、主人公の前に立ちはだかるようだ。 https://t.co/7MisKBQfVs #メガテン #DSJ pic.twitter.com/FpxrY4Z5D1
— 『真・女神転生』シリーズ公式 (@megaten_atlus) 2017年7月17日
次回は少し趣向を変えて、『真・女神転生STRANGE JOURNEY』にも登場した『メガテン』ファンには懐かしい悪魔を取り上げます。それではまた来週、お楽しみに。
真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY
対応機種:ニンテンドー3DS
ジャンル:RPG
発売日:2017年10月26日
CERO年齢区分:C(15才以上対象)